今回は腹圧呼吸についてお話しします。
普段、無意識に呼吸をしていますが、その呼吸が「腹圧」と密接に関係しています。
呼吸の質が悪くなると、体幹が不安定になり、姿勢が崩れやすくなったり、運動の効率が下がり、疲れやすくなります。
現代人に多いのが、「息をしっかりと吐けていない」という問題です。呼吸では吸うことばかり意識されがちですが、適切な呼気が行えないと、胸椎や胸郭の動きが制限され、腹圧の調整機能が低下してしまいます。
呼吸のメカニズムは腹圧をコントロールする上で重要な意味を持ち、呼吸によって、私たちの姿勢や運動は無意識に働く「神経メカニズム(神経振動子や予測的姿勢調節-APA)」によって支えられています。
1、腹圧とは
腹圧とは、腹腔内にかかる圧力のことであり、主に横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋によって支えられています。これらの筋肉が連携して適切に機能することで、体幹が安定し、スムーズな動作が可能になります。
腹圧は単なる「力を入れる」ものではなく、運動前の準備段階で無意識に作動する「姿勢制御システム」の一部なのです。
2、腹圧が弱いと?
・姿勢の悪化:
体幹が不安定になり、背骨や骨盤が安定しないため、猫背や反り腰になりやすくなります。
・腰痛・肩こりの原因:
姿勢が悪化すると、背中や腰の筋肉に余計な負担がかかり、腰痛や肩こりにつながります。
・ぽっこりお腹の原因:
腹圧が低いと内臓を支える力が弱まり、内臓が本来の位置より下がってしまう「内臓下垂」が起こり、お腹がポッコリ見えることがあります。
・呼吸への影響:
腹横筋が弱くなると、呼吸が浅くなることがあります。
・全身の疲労:
体幹が不安定になることで、日常生活でバランスをとろうと無意識に力が入り、疲れやすくなることがあります。
なぜ腹圧が重要なのか
腹圧は腹筋、横隔膜、骨盤底筋、多裂筋という「体の内側のコルセット」と呼ばれるインナーマッスルによって作り出されます。これらが連携して腹圧を高めることで、体幹を安定させ、姿勢を正しく保つことができます。
3、腹圧呼吸のやり方
腹圧呼吸の一つで
スタンフォード大学で実践されているIAP呼吸法を一部ご紹介します。
・寝てIAP呼吸
あおむけに寝て、膝を90度に立てて足の裏を床につける。
5つ数えながら息をゆっくりと吸っておなかを膨らませる。
5つ数えながら、おなかを膨らませたまま息を吐いていく。
これを繰り返す。
肋骨が沈んでいくような感じがして、反っている腰のアーチが床についているような感覚があらようにします。
IPA呼吸法には、
体感の安定、自律神経の調整によるリラックス、疲労回復、体力向上、精神的な健康の向上といった効果が期待できると言われています。腹部の内圧を高めることで体の軸が安定し、正しい姿勢を保ちやすくなります。また、横隔膜を深く動かすことで副交感神経が優位になり、自律神経が整いやすくなります。
みなさん簡単にできる呼吸法です。
まずは1日1回からでもいいので
始めてみてください。