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腱鞘炎とホルモンの関係性
妊娠や授乳期には、リラキシンやプロゲステロンといったホルモンが分泌される一方で、産後エストロゲン分泌量が急激に低下します。
これらのホルモンの増量、減少が腱鞘炎の大きな原因の一つとされています!
エストロゲンの効果とは
関節や腱周囲組織の健康を支える重要なホルモンであり、その減少は滑膜炎の発症リスクを高める要因となることが分かっています。滑膜炎は腱鞘炎の主要な原因の一つであり、特に授乳期の女性では以下のようなメカニズムが関与していると考えられます。
ちなみに
リラキシンの効果とは
関節や靭帯を柔軟にする作用があり、手首や親指周辺の安定性が低下することで、腱鞘炎のリスクが高まります。
プロゲステロンの影響とは
体内の水分保持を促し、むくみを引き起こしやすくなります。これにより腱鞘内の圧が上昇し、腱や腱鞘への負担が増加します。
エストロゲンと滑膜の役割 滑膜は腱鞘の内側を覆う薄い膜で、腱がスムーズに動くための潤滑液を分泌します。エストロゲンはこの滑膜の正常な機能を維持する役割を果たし、抗炎症作用を持つことでも知られています。授乳期にエストロゲン分泌が低下すると、滑膜の機能が低下し、炎症を起こしやすい状態になります。
滑膜炎が腱鞘炎を引き起こすメカニズム 滑膜が炎症を起こすと、腱鞘内に腫れや痛みが生じます。これが腱の動きを妨げ、さらに腱鞘の摩擦やストレスを増加させる悪循環に繋がります。特に授乳中の動作(抱っこや授乳時の手首の角度)により、滑膜炎が進行しやすくなることが指摘されています。
エストロゲン低下と修復力の低下 エストロゲンはコラーゲン生成を促進し、腱や滑膜の修復力を高めますが、授乳期のホルモン低下により修復能力が低下し、炎症が長引く原因となります。
ホルモンが直接炎症を引き起こすわけではありませんが、腱鞘炎を発症しやすい状態を作り出す要因として働きます。